温家宝一族の資産

ニューヨークタイムスは、温家宝首相一族の蓄財と資産についてとても長い記事を載せました。首相本人はサイドビジネスをしていないのですが、親類縁者や知り合いはコネを最大限に利用してビジネスの取引を有利に運び、27億ドルもの財産を保有しているというものです。

温家宝の夫人は中国のダイヤモンド業界に君臨する女王として知られていて、40才前後の息子も海外留学経験のあるビジネスエリートなので、それぞれビジネスはしています。ただ蓄財の殆どは妻や息子の名義ではなく、母親や義理の家族、または昔の同僚の名義で行われているようです。

全人代を控えて、中国はスキャンダルに特に神経質になっており、ニューヨークタイムスの記事がネットに流れたすぐ後には、その中国内での閲覧をシャットアウトしたというのがワシントンポストの記事にありました。

中国は過去にも、習近平の資産に関してブルームバーグが書いた時に、ブルームバーグを中国内で閲覧不可能にした経緯があります。

遠縁や知り合いの名義を使って不動産を買ったり、現金の商売をしたり、海外に資産を移すのは、在米華僑が資産を隠したい時に頻繁に行うやり方です。北京でも全く同じ事が巨大なスケールで行われているのは興味深いと思いました。中国人には知られた手口だろうと思うので、中国人は驚きはしないのでしょうが、この額は巨大です。

また、記事の次の一部が私の目を引きました。

Some Chinese argue that permitting the families of Communist Party leaders to profit from the country’s long economic boom has been important to ensuring elite support for market-oriented reforms.

市場誘導型の経済を勧める為には、共産党幹部の家族が経済ブームに乗っかって利潤を追求するのも重要である−−というような訳になります。「仕事を産み出す資産家に経済的な優遇措置を与える事は重要である」というロムニー候補の言葉とダブって聞こえます。

ニューヨークタイムスの記事はちょっと長いのですが、読んでみて下さい。

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